お手持ちのグラスが置いたまま自然に割れたり、粉々に壊れたりすることがまれにあります。これはそのグラスの歪が製造段階で取りきれていなかったことが原因です。

ガラスは最高1350〜1500度で溶融され、成型時には600度〜1000度、成型後で400〜500度の温度があります。そこから急激に冷却すると割れてしまうのでゆっくり冷却(徐冷・アニーリング)しますが、それでも表面はすぐに冷え内部はなかなか冷えないため、表面と内部の間に歪が残ります。これを残留歪といいますが、残留歪がある値より大きいと、自然破壊(太陽が当たっていた場合が多い)が起きたり、修理を始めたとたんに壊れることになります。

当店では、ガラス製造会社で使用している(株)ルケオ製の歪検査器を備え、ガラスの残留歪をチェックしています。修理をする場合に大きな残留歪があると、ダイヤ工具がガラスに触れただけで破損することがあるからです。残留歪をチェックした上で修理を行いますが、それでも眼に見えないキズがあったりすると壊れる恐れがあります。 よって、グラスの修理については次のようにお考えください。


@ ガラス製品には、修理によって破損する危険性(リスク)が、必ずあります。破損した場合は修理費はいただきませんが、弁償は出来ませんのでご了承ください。
A 同じものが、今もし購入できるなら購入されたほうがよろしいと思います。たとえ修理できても高さが低くなっていたり、どこかがダイヤで削られていて、購入された時とは違っています。
B 1mm以下の薄肉のワイングラスの口欠け修理は出来ません。ダイヤ工具での加工中の振動で破損することがあるためです。 それでも修理をお考えの場合、概算費用は下記の通りです。製品の種類・大きさ・修理内容によって異なりますので、まずお問合せください。 ワイングラス・タンブラーの大きさのものですと、
C 1mm以上の肉厚を持つグラスの口元の欠け修理・・・・・・・・・3000〜4000円
D 口元以外の場所の欠け修理・キズとり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3000〜5000円


ガラス検査、および修理についてのご質問・お問合せは、お電話・FAX、またはメールにて承っております。
どうぞお気軽にお問合せ・お申込み下さい。
E-mail: mukinot@glashutte-ginza.com
TEL:090-5342-6052