お手持ちのグラスが置いたまま自然に割れたり、粉々に壊れたりすることがまれにあります。これはそのグラスの歪が製造段階で取りきれていなかったことが原因です。
ガラスは最高1350〜1500度で溶融され、成型時には600度〜1000度、成型後で400〜500度の温度があります。そこから急激に冷却すると割れてしまうのでゆっくり冷却(徐冷・アニーリング)しますが、それでも表面はすぐに冷え内部はなかなか冷えないため、表面と内部の間に歪が残ります。これを残留歪といいますが、残留歪がある値より大きいと、自然破壊(太陽が当たっていた場合が多い)が起きたり、修理を始めたとたんに壊れることになります。
当店では、ガラス製造会社で使用している(株)ルケオ製の歪検査器を備え、ガラスの残留歪をチェックしています。修理をする場合に大きな残留歪があると、ダイヤ工具がガラスに触れただけで破損することがあるからです。残留歪をチェックした上で修理を行いますが、それでも眼に見えないキズがあったりすると壊れる恐れがあります。 よって、グラスの修理については次のようにお考えください。 |